第6回大阪COPDフォーラム
1月は行きたいような研究会はなく、2月はこちらの事情でなかなか行けなくて、今回は久しぶりに参加しました。大きく分けると3つの演題がありました。
一つ目はアンケート調査の結果です。
「COPDと循環器疾患」というタイトルで大阪市立大学大学院生の呉家由子先生でした。
ボクはこのアンケートに答えることができなかったため、申し訳なかったです。
二つ目は教育講演で鉄道病院の呼吸器内科部長である藤井達夫先生の肺循環のお話でした。
「COPDにおける肺循環障害と運動能力の関連について」というタイトルでした。
この講演の結論が肺高血圧症に血管拡張剤が有効か?というような内容で、藤井先生は有効と考えられるが最近の知見はないとのことでした。
最後の演題は信州大学教授の花岡正幸先生で、
「COPDに合併する肺高血圧症の最新の知見」というタイトルです。
#花岡先生のCOPDの分類は一般的な「気腫型」と「非気腫型」に分けるのではなくて、「気道病変型」と「肺血管型」に分けたい・・。
#Pink Puffer型とBlue Bloater型に分けると後者は肺高血圧症になりやすい。
#COPDの肺循環動態
鄯)3分のエルゴメーターで PaO2は低下、PaCO2は上昇。また肺動脈圧は(↑↑)
鄱)重症ほど肺循環障害がでる。
鄴)運動負荷時の肺高血圧は呼吸機能と有意の負の相関を示す。
#COPDの肺高血圧症の要因
鄯)肺血管の収縮
鄱)血管床の破壊・減少
鄴)肺動脈のリモデリング
鄽)肺メカニクスの異状(肺の過膨脹など・・)
酈)血液粘性の増加
#肺高血圧症を合併したCOPDの予後
鄯)血管拡張剤の使用、不使用で予後に差はない。
鄱)ただし血管拡張剤にresponseのあるものは予後がよい。
#CPFE
鄯)CPFEの47%に肺高血圧症がある。
鄱)肺高血圧症があれば予後は悪い。
鄴)CPFEは膠原病に合併しやすい。
鄽)IPFよりもCPFEの方が肺高血圧症が多い。
#肺高血圧症の定義
鄯)PAH<25 肺高血圧症なし
鄱)PAH≧25 呼吸器疾患に伴う肺高血圧症
鄴)PAH≧35 呼吸器疾患に伴う重症肺高血圧症
ただしPAHは平均肺動脈圧
#肺高血圧症の治療
鄯)基礎疾患の治療
鄱)酸素療法
鄴)リハビリテーション
鄽)右心不全の治療
酈)PAH薬
酛)肺移植
#薬物療法
鄯)プロスタノイド→ 静注・経口はシャント血流増加で悪化。吸入はエビデンスなし。
鄱)エンドセリン受容体拮抗薬→ 使うべきでない。
鄴)PDE−5阻害薬→ 悪化させた報告はない。CO,CIは上がっている。第一選択!
鄽)Riocigat ??
以上ボクのメモより。聞き間違えや聞き逃しがあるかも知れない。いい勉強ができました。
寺川先生はやはり優しい先生です。