第10回 Clinical Resiratory Conference

今回は11/13スイスホテルでありました。当番幹事は泉大津市立病院の伊東友好先生でした。
当日は大変よく冷えました。
一般演題2つと特別講演1つでした。
(Ⅰ)一般演題は
1)ステロイド反応不応性の薬剤師性肺障害に対してPMX-DHP療法が著効した1例
   大阪市立大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 玉垣学也先生
2)胸部異常陰影を契機に診断したCastlman病の1例」
   泉大津市立病院 呼吸器内科 野村奈穂先生
でした。どちらの症例も興味深く聞かせていただきました。お二人ともよく勉強されていて、将来が楽しみです。
(Ⅱ)本日の特別講演はプログラムのタイトルとは代わっていて、
「喘息・COPDのオーバーラップ症候群 ACOS最新の知見」でした。
講師はこの分野での第一人者でである、東京女子医大の統括病院長をされている 永井厚志先生です。
永井先生はいつも滑舌がよく、お話もわりやすく聞く前から楽しみでした。ボクが理解できた範囲でまとめます。
ACOS(=Astma COPD overlap syndrome)は気管支喘息COPDの合併疾患である。(当たり前か)
ACOSはGINA2014で記載される。高齢でSmokerに多い。
ACOSは喘息のみ、COPDのみより悪化しやすい。(増悪が多いということ)
ACOSの治療にはLABAのみはダメ。ステロイド吸入が必要。
#1秒量の経年変化 
  健常人:20ml/年
  気管支喘息:20ml/年 (ただし、FEV1.0のピークは健常人よりも低い)
  COPD:50ml/年
  ACOS:50ml/年(ただし増悪が多く、その時はもっと低下)
#気道過敏性がある子供は呼吸機能の低下が大きくなる傾向
ACOS 好酸球が多いほど呼吸機能悪化(誘発喀痰?)
 COPD 好中球が多いほど呼吸機能悪化
ACOS 好酸球が多いほど増悪が多い
 COPD 好中球が多いほど増悪が多い
#頻回に増悪を繰り返す割合は
 COPD 15%
 ACOS 42.7%
#入院回数
 ACOSCOPD>asthma
COPDと診断されている60歳以上の約半数がACOS
COPDACOSも増加傾向
#症状でみると、
 呼吸困難 ACOS 67.2% 、COPD 16%
 喀痰   ACOS≒CPOPD
ACOSのrisk因子
 アトピー、スモーキング、小児喘息・・・ 喘息治療が優先される。