第I4回大阪呼吸器疾患談話会

6月26日に行われたものですから、かなり書くのが遅くなりました。
大阪市立大学の呼吸器内科の集まりです。今回の幹事は大阪市総合医療センターの少路誠一先生です。
一般演題が2つ、それに特別講演が1つでした。
まず、一般演題ですが、一つ目は総合医療センターの香川直美先生の
●「COPD患者に肺動脈性肺高血圧症の併存を認めた一例」でした。
まだメモを取る準備ができていなくて、聞き逃したことが多いです。m(_ _)m
眠剤メラトニン受容体アゴニストで睡眠-覚醒リズムに働きかけ,鎮静作用や抗不安作用によらない睡眠をもたらすとされるものです。高齢者の不眠患者に適しているとのことです。他にもCPAP開始時に比べて年数が経てば使用頻度が減ってくることがあると言うようなお話で、その最大の原因がマスクによる不眠です。と言うようなお話だったお思います。

二つ目の演題は大阪市立大学呼吸器内科学の 井尻尚樹先生でした。
●「飼いネコの保有菌が気道感染を起こしていた一例」
76歳の女性で、5年前に咳と黄色の痰があり、3年前から血痰があったと言う患者さん。結核菌は(−)ネコを2匹飼っていて1ヶ月に1度ぐらい引っかかれる。ネコの1匹が咳をしている。
胸部で右S3に粒状影、左S4に気管支拡張像。気管支鏡で気管支内に泡沫痰が多い。吸引痰からM.avium(+)他にPasteurella multocidaを認めています。やはりペットの爪を切ったり、ある程度の距離をおくことが必要なのかも知れないです。

さて、特別講演は横浜市立大学呼吸器病学教室の金子猛先生です。
●「COPD増悪と気道過分泌」
1)増悪が多いと死亡率が高くなる。増悪を年に3回起こすと死亡率20%。
2)喀痰が多いと死亡riskが高い。誘発喀痰中の好中球の炎症マーカーであるIL-6,IL-8の濃度が高い。好中球のエラスターゼムチン分泌を刺激する。
3)抗炎症治療が今後の課題。
4)慢性気管支炎タイプで増悪を繰り返すタイプが2)である。
5)増悪を繰り返すタイプにはLAMA+ステロイド、またはLAMA+喀痰調整剤、他にステロイド吸入+NACも有効、ムコダインも増悪を抑制。ムコソルバンも炎症の強いタイプに有効。
6)マクロライドの抗炎症効果は好中球の気道炎症を遅らせる。CAM,EMも1/3に増悪の抑制。
7)PDE4阻害剤・・・吸入薬が開発中
8)スタチン:hsCRP>3の方の8割ぐらい増悪を抑える。
9)LAMA:気道分泌抑制、線毛運動をあげる。

だいたいこのくらいです。スライドを見ながら、内容を理解しながらメモを取るのは至難の業です。でも、いい勉強になりました。いくつになっても勉強です。