青春時代(その4)

ボクの高校2年生はどん底を迎えました。精神的にも大きなダメージを受けました。親友を助けることが出来なかったという罪の意識です。ボクには特待生が持っている「両親や先生方の期待に応えなければならない」という意識は理解できませんでした。でも、中島君は何度もボクに「君は楽そうでいいな」というのを聞いたことがありました。
彼を亡くして、ボクの2学期、3学期の成績は惨憺たるものでした。ボクはもう国立大学へ行く意欲もなくしていました。
ボクが高校3年生になった時、天真爛漫な妹は高校1年になりました。受験校でなく商業高校でした。不思議なことに試験の日にちは全く同じでした。同じように一夜漬けの勉強をしていました。
ボクも妹も試験の前日だけ勉強するのですが、長くは覚えておれないので、徹夜で勉強して帰ってきてすぐ寝ました。夜になって起きて、勉強していると、妹が「お兄ちゃんお腹すかない?」というので「すいたな・・」というと「たこ焼き作ろうか・・」という事になりその夜は勉強はそっちのけでたこ焼き作るのに明け方までかかりました。こんな状態で二人ともいい成績が取れるはずはありません。
高校3年の2学期の一番大事な時期には「お兄ちゃん、お好み焼き作ろうか・・」です。
ある時、こんな事もありました。試験の最後の日(3日目)ボクは帰ってきてすぐには寝ずに最後の試験のための勉強をしていました。そして妹はもう勉強しないで試験を受けると・・・勇敢な奴です。ボクはさすがに前の日もあまり寝ていないので、眠たくなりました。しかしボクは少しだけ寝ることにしました。妹が心配して「寝たらもう起きれないよ」と言いましたが、ボクは「大丈夫オールP飲んでいるからすぐに起きるよ」と・・・しかし起きたら朝でした。
妹がいたからボクは少しずつ心は癒されてゆきました。そしてすでに書いた同級生の目の潤んだ女の子に恋をしていました。でも、中島のことは忘れたことはありません。もし生きていたら今も親友だったと思います。