少年時代(その2)

小学校の3年生ぐらいの時のことです。ボクが小学生の時はまだ舗装をしていない道路がたくさんあり、落とし穴を作ったり(と言っても30cmぐらい)スズメ取りの仕掛けを作ったり(捕ったことなし)竹馬を作ったりしました。竹を売ってるところには聾唖の方がいて、ボクは何も知らず友達のまねをしてその人をからかったことがあります。本当に悪いガキでした。
そんな頃、ローラースケートが流行りました。ボクも何度も親に頼み買ってもらいました。これからお話するのはボクが2度目にプライドが傷ついたお話です。こういうのは記憶から消えないのですね。
ボクはあの魔法の靴さえあれば、アスファルトの道路をすいすい滑れるものと思っていました。家でローラスケートを履いて土の道を歩いて行きました。そしてアスファルトのところで、さあ、滑るぞと思って飛び出したところ第一歩目で、ステンと尻餅をついてしましました。30mぐらい離れたところの撚糸工場の2階の窓から女工さん達が見ていました。そして大きな声で笑っていました。
ボクはそんなはずはないと思い再び立ち上がるのですが、そのとたんにまた尻餅です。女工さんはまた大きな声で笑い拍手をしてくれるのです。多分ボクの顔は真っ赤になり、怒っていたと思います。それから何度も立ち上がり、そして転び、大きな笑い声と拍手です。だんだん女工さんの数が増えてきます。ボクは30分ほど頑張りましたが3mといけないうちに転びました。そのうちタクシーが来たりして、電柱に抱きついていました。
この日を境にボクは夕方になってから、ローラスケートの練習をして1ヶ月後にはみんなについて走れて、クイックなターンもできる様になりました。
それから、昼間女工さん達が見る中で誇らしげに滑るボクを見て、女工さんは笑わずに拍手だけをくれました。