南大阪肺感染症研究会

昨日(2013/11/01)仕事を終えてからアゴーラリージェンシーホテルの3階で行われたこの回に参加しました。
2つの特別講演がありました。

その一つ目は近畿大学の吉田耕一郎先生の「MRSA感染症の治療を考える」でした。
# MRSA肺炎の診断は容易ではない。
# LZD(ザイボックス)は組織移行よいので呼吸器感染症にはよい。
# バイオフイルム感染にはDAP(ダプトマイシン)が第一選択
# bacteremiaにはVCMが第一選択
# LZDの血液障害は2週以上の投与で出現することが多い。血小板減少、貧血。

二つ目の講演は国立感染症研究所の宮粼義継先生でした。
この講演は勉強になりました。
深在性真菌症を3つに分けていました。
1)免疫不全の人がかかる真菌症
#アスペルギルス感染が最も多い。CTでhalo sign。内部に空洞を形成する浸潤影
#ムーコル=接合菌やヒストプラズマでReverse halo signになる。
#抗TNF-α infliximabでも真菌症が生じやすい。
2)院内感染症としての深在性真菌症
#Candida albicans以外のnon-albicansが約半数。
#Cabdida glabrata,Candida kruseiは耐性が多い、(キャンディン系)
3)健常者に起こる深在性真菌症
#コクシジオイデス:砂漠への旅行歴・・感染力強い。
#ヒストプラズマ 洞窟(コウモリ、鳥の糞)・・日本にもあるかも知れない。
#クリプトコッカスは中枢神経系ではcommon
#Cryptococcus gattiはバンクーバーアウトブレイクアメリカ西海岸。
#Cryptococcus gattiは治療に抵抗性がある。

以上がボクが印象に残ったところです。
一つ目の講演はファイザー製薬の宣伝が多かったような気がします。
真菌症はやはり健常者に起こるものが興味深く感じます。